筋トレの頻度: トレーニング変数としての頻度

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Introduction

筋力および筋量の増加を目的とする方法論において、継続的な、いわゆる筋力トレ(Workout/ Resistance training)と、十分なタンパク質の摂取は、第一選択(ファースト・ライン)となる介入方法であり、かつ、最も効果的な非薬物的方法であると言われています。

筋トレは、骨格筋の応答を誘発する筋収縮刺激です。

そして、刺激となる機械的負荷を操作(調整)するための設定が、すなわち、トレーニング変数です。

トレーニング変数には、強度(load)、回数(repetitions)、負荷をかける時間(time under tension)、量(training volume/ volume load)、などがあります。

Importance

  1. ガイドラインでは、初級〜中級レベルでは2~3セッション/週、上級 (competitionレベル)では、4~5セッション/週が推奨されている。
  2. 総トレーニング量が変化しない限り、筋力および筋量の増大効果 (応答) に対して、トレーニング頻度の増減は、単独では影響しない。
  3. むしろ、総トレーニング量をコントロールする変数として、間接的に影響する。

Appendix

頻度 (training frequency) 

「頻度」は、「所定の期間に行われるセッションの数」と定義されており、通常は、週当たりのセッション数として扱われることが多いです。

筋群ごと(または上半身、下半身などの身体部位ごと)、あるいは、エクササイズの種類ごとに分けて設定されることが多いです。

以前から、American College of Sports Medicine (ACSM)などからのガイドラインによって推奨頻度が提唱されていますが、エビデンスが低いということで、追加の研究がなされています。

ACSMのポジションスタンド

  • 初級者(RTの経験がないか,数年間トレーニングをしていない人)は,全身的な運動を2~3日/週の頻度で行うことを推奨。
  • 中級者の場合は、同様の頻度 (2〜3日/週) で、通常のワークアウト、またはスプリットルーティン (例:上半身/ 下半身など) を行い、より多くの運動量を確保する。
  • 上級のウェイトリフター、パワーリフター、ボディビルダーでは、筋力向上のために、4~5日/週の頻度でRTを行うことが提案されている。

(Split routines:スプリットルーティンとは別名「分割法」。 要するに、. 一週間でいろいろな部位に分けて筋トレをすること。)

最大筋力および筋肥大 への影響

週当たりのセッション数 (頻度)を上げるに従い、総トレーニング量も増加していく場合、頻度を上げない場合に比べて1RMおよび筋量は増大します。が、その増加の程度は非常に小さいようです。

また、総トレーニング量を変えずに、頻度だけを増加させた場合は、頻度を増加しない場合と比べて有意な影響を示しません。

つまり、設定したトレーニング量を守れば、個人の都合で、筋群ごとの週間頻度を決めれば良いということです。これは、トレーニング経験、性別や加齢(≧60歳)に関わらず同様です。

疲労回復およびオーバートレーニング回避のためのセッション間隔の調整

1回のセッションのトレーニング量が多すぎると、筋 (あるいは筋群) に対する、トレーニング刺激が過剰になります。その結果、高レベルの疲労がおこり、必要な回復時間が有意に延長します。さらにはオーバートレーニングや筋出力の低下につながる可能性があります。

逆に、セッション間の回復が不要な場合には、デトレーニングによる悪影響を及ぼす可能性があります。

良質なトレーニングセットを確保するそのため、セッション間の回復に対する配慮は重要です。

しかし、回復率を定量化し、最適な頻度を推奨することは、現状では困難であると言われています。個々のトレーニング状況、性別、筋群の状態によっても異なる可能性があるからです。

トレーニング量を増加させる方法の一つ

筋トレの経験値が上がるにしたがい、トレーニング量を増やしていきたいところです。

週のセット数 (sets)、セットあたりの反復回数 (repetitions)、負荷強度 (load) を増やすなど、さまざまな方法があります。

が、1セッション内で筋群ごとに4~6セットで運動することが筋の適応に最適であり、セッション内のセット数をこれ以上に増やしても、より大きな効果は得られない、という知見があります。

頻度を増やしてトレーニング量を分散させる方法も有効と言われています。

 

Reference

  • Physiological adaptations to resistance exercise. Implications for athletic conditioning. Kraemer WJ, Deschenes MR, Fleck SJ Sports Med. 1988 Oct; 6(4):246-56.
  • Effects of training frequency on muscular strength for trained men under volume matched conditions DOI: 10.7717/peerj.10781
  • ACSM:Review American College of Sports Medicine position stand. Progression models in resistance training for healthy adults. American College of Sports Medicine. Med Sci Sports Exerc. 2009 Mar; 41(3):687-708.
  • Weekly Training Frequency Effects on Strength Gain: A Meta-Analysis DOI: 10.1186/s40798-018-0149-9
  • How many times per week should a muscle be trained to maximize muscle hypertrophy? A systematic review and meta-analysis of studies examining the effects of resistance training frequency
  • The Effectiveness of Frequency-Based Resistance Training Protocols on Muscular Performance and Hypertrophy in Trained Males: A Critically Appraised Topic DOI: 10.1123/jsr.2019-0491

 

 

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